今春センバツに出場した北海のプロ注目左腕、木村大成投手(3年)が9回2安打10奪三振2失点で初戦突破に導いた。NPB9球団のスカウトが集まる中、日本ハム白井スカウトのスピードガンで、これまでの最速を2キロ上回る150キロを計測。「ストレートは決して良くなかった。今日で150キロなら、本来ならもっと上にいける。これからも向上心を持ってやっていきたい」と強い口調で話した。

直球への自己評価は厳しかったが、変化球には手応えを感じていた。この日の10三振は、すべて得意のスライダーで奪い「今季1番良かった。チェンジアップでタイミングをずらすこともできた。今後に生かしたい」と前向きに話した。

視察したスカウト陣の評価も上々だ。日本ハム白井スカウトは「150キロが出た後も149、148と続いていた」。西武渡辺GMは「いい投手だね。あのスライダーは武器。ブレーキが利くし空振りを取れる」と切れのある変化球に着目。同GMは今秋のドラフト指名についても言及し「上位の可能性もあるんじゃないですか」と付け加えた。

この日の札幌の最高気温は35度。猛暑の中114球完投し、20日には連戦で準々決勝(東海大札幌)が控える。センバツ初戦(神戸国際大付)は終盤に球威が落ち延長10回サヨナラ負け。「スタミナ不足で負けたので、連戦でも投げきり成長したところを見せたい」。聖地での借りを返すまで、負けるわけにはいかない。【永野高輔】