古川学園は4-3で東北にサヨナラ勝ち。創部68年目で初の夏4強に名乗りを上げた。同点に追いついた直後の9回1死二、三塁、8番打者への初球が暴投となり、昨秋の県準決勝でサヨナラ負けした相手に借りを返した。

第5シードの意地を見せ、ミラクル勝利を手にした。初回に押し出しで先制、最後は相手バッテリーの暴投を誘った。米倉亮監督(37)は「最後まで諦めずに粘り強く戦ってくれた。歴史をつくってくれた選手に感謝したい」とたたえた。

南仙台ボーイズ出身の2投手が勝利に貢献した。1年生右腕・今野一成が7回2/3を7安打3失点で夏デビュー。6回まで無失点に抑え、先輩のエース右腕・三浦龍政(3年)につないだ。この日の朝に先発が決まった今野は「足元がふらふらして今までにないくらい緊張しましたが、ベンチに入れなかった3年生がいるので最大限のことをしようと思いました」とストライク先行の強気の投球で押しまくった。

2番手三浦も1回1/3を無安打に抑え、打者としても土壇場の9回1死一、三塁から同点の左中間二塁打を放ち、サヨナラ勝ちのお膳立てをした。三浦の後を追って入学した今野は「もっと投げ込みや走り込みをして龍政さんのように(期待に)応えられるようになりたい」とお手本にする。昨年は南仙台ボーイズで春夏の全国出場を決めたが、コロナ禍でかなわなかった。全国切符獲得まであと2勝。次期エースを目指す今野は「チームの力になれるようにして甲子園に行きたい」と声を弾ませた。【佐々木雄高】