今秋ドラフト上位候補で最速152キロ右腕の市和歌山・小園健太投手(3年)と高校通算43本塁打の松川虎生捕手(3年)が8月31日、12球団OKのプロ志望を明言した。前日30日にプロ志望届を提出。小園は「出したということで実感がわきました」と武者震いし、新たな挑戦に向け、気を引き締めた。

小園は剛速球と精度の高い変化球を駆使し、完成度の高さは複数球団から高校生NO・1評価を受ける。「先発ローテーションに入って、しっかり活躍してチームに欠かせない存在になりたい。(オリックス)山本由伸投手のようなエースになりたい」と語った。

7月27日の和歌山大会決勝で敗れた智弁和歌山は、夏の甲子園で全国制覇。智弁学園(奈良)との決勝も見たという。「自分たちが負けた相手。同じ和歌山の高校が優勝してくれて、とても素直にうれしい」。自身は、敗退の悔しさをバネに前を向いている。「ケガしない体作りをして全体的に鍛えています」。ブルペン投球を継続し、オフもレベルアップを図る。

高校生トップクラスの強打を誇る松川も、スカウトから評価される。「打撃では変化球への対応や、木のバットを使って遠くに飛ばす練習をしている」と、早くもプロ入り後の大舞台に目を向けている。「1軍でバリバリ出る一流選手、打てる捕手が目標です。みんなに愛される選手になりたい」。智弁和歌山の優勝を見届け、徳丸天晴外野手(3年)や角井翔一朗外野手(3年)に連絡。LINEで「おめでとう」と伝えたという。

夏の甲子園を逃したが、センバツで躍動。小園が「まだまだ、ここからスタート。しっかりやっていきたい」と言えば、松川は「スタートの1発目から遅れないように。(小園と)相手として勝負したい。負けられない」と気合十分。ともに12球団からの指名を待つ。帽子に「ニコイチ」と書き込んでいたバッテリーが、プロの大海原にこぎ出す。【酒井俊作】