今夏甲子園で準優勝した智弁学園が、5回コールドで初戦を突破した。先発の大坪廉投手(2年)が5回参考ながら自身初の完全試合。打線も13安打10得点と投打ともにかみあった。

先発の大坪は初回から2者連続三振を奪うなど、コーナーをついた丁寧な投球を披露。持ち味の真っすぐとコントロールの良さを存分に発揮した。要所でのスライダーも決まり7奪三振。52球で完全試合を達成。完全投球には「気づいていたが、打たれてもいいかなと思っていた。今日はできすぎです」と白い歯を見せた。

3年生では西村王雅投手(3年)と小畠一心投手(3年)が左右の柱となり甲子園準優勝に導いた。「盗めるものは盗もうという気持ちでやっていました」と貪欲に吸収した。夏はベンチ外だったが今秋は背番号1を背負い、大坪は「プレッシャーはあるが、マウンドに立った人がエースだと思っている」。この日はエースとして貫禄の投球を披露した。

打線は1~4番に1年生を据えた。小坂将商監督(44)は「1~4番すべて1年生は初めて。1、3、4番は固定ですけど、2番は日替わりです」。今夏は3年生主体だったため、ほぼゼロからのスタートだと言い手探り状態。それでも、「4人がつなぐ気持ちでやってくれたのが良かった」とたたえた。

初回には1番松本大輝外野手(1年)が初球を打って右中間への三塁打。続く2番の川原崎太一内野手(1年)も初球を右前に適時打を放ち、2球で先制した。その後も打線は活発で、13安打10得点と得点を量産した。

新チーム初戦を快勝で飾った。大坪は「まずは県大会で優勝して、近畿大会でも優勝して、センバツに行きたい」。先輩に続く秋季近畿大会連覇という目標へ向けて、最高のスタートを切った。【林亮佑】