昨秋と同日、同カード、同球場での対決となった一戦は、帝京が主砲の一発でリベンジを果たし、8強入りを決めた。

打った瞬間、誰もがそれと分かる本塁打だった。3-2と1点リードの7回2死二、三塁。背番号「20」の4番・渡辺礼内野手(2年)が左越え3ランを放ち、試合を決めた。チームを勝利に導いた主砲は「打った瞬間いったと思いました。球は高めだったと思いますが、あんまり覚えてないんです」と興奮の瞬間を振り返った。

昨秋の同カードは0-10で、コールド負け。「負けたときも試合に出ていました」と、当時の悔しさを知る渡辺は「とにかく優勝するための3回戦と考えていました」と一戦集中を心掛けていた。次戦の意気込みを「本塁打はもう忘れます。次もチャンスの場面で打てるように頑張ります」と、既に気持ちを切り替えていた。

4回まではリードを許す展開。それでも金田優哉監督(36)は、普段の練習や試合を通じて「絶対逆転できる」と信じていた。試合を決めた渡辺の一発には「あそこで打てるのが4番。帝京高校の4番らしい打撃だったと思います」と力強くたたえた。