第94回選抜高校野球大会(22年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠候補9校が10日、日本高野連から発表され、北海道地区は今秋全道大会で4強入りした札幌国際情報が候補校となった。19、20年南北海道大会準優勝、今夏南大会、今秋全道4強など、継続して結果を出してきた実力が選出の要因となった。21世紀枠3校(東日本と西日本各1校、地域限定なし1校)は、一般選考28校と明治神宮大会枠の1校とともに、来年1月28日の選考委員会で決まる。

    ◇    ◇    ◇  

札幌国際情報が初めて21世紀枠の北海道地区候補に選ばれた。来春の選考委員会で同枠3校に選出されれば、札幌地区の公立校では初のセンバツ切符となる。まずは第1関門を突破し、主将の高根稜真二塁手(2年)は「高いレベルの相手をイメージして冬の練習に臨めるのは大きなモチベーションになる」と意気込んだ。

冬場は、秋に出た課題を克服する。今秋の北海道大会は4試合で49得点。2回戦、準々決勝では道大会初の2戦連続1イニング2桁得点をマークするなど爆発力を披露も、準決勝の旭川実戦は3-3の6回2死走者なしから2つの失策が絡み、無安打で勝ち越し点を許した。有倉雅史監督(54)は「エラーで取られて大事な場面で打てていない。まだまだ」。守備のもろさと勝負どころでの集中力に磨きをかけ、吉報を待つ。

準備する環境も、ちょっぴり改善された。同校には室内練習場がなく、冬場は横約10メートル縦約30メートルの駐輪場を改造した即席トレーニング室で練習する。昨年まではビニールのシートで風をしのいでいたが、劣化のため11月に木板と透明のプラスチック板で、風よけを改良。中島将輝部長(40)は「外の光が少し入るようになり、気温も1度ぐらい上がる」と効果を口にした。

秋季大会は腰痛で離脱していた小泉太陽投手(2年)も部分的に練習復帰し、年明けには少しずつ投球練習を開始できる見込み。選手層にも厚みを加え、夢舞台に立つための身支度を整える。【永野高輔】

◆札幌国際情報 1995年(平7)に創立された道立校。全校生徒956人(女子577人)。野球部も95年に創部され現在は部員計80人(1年29、2年31、3年20人)。甲子園出場なし。夏の南北海道大会は19年と、道高野連独自開催の20年に2年連続決勝進出。今夏は4強。主な卒業生はJ1福岡DF奈良竜樹、ソチ五輪リュージュ代表の金山英勢。英語部が今夏の全国高校総合文化祭英語部門最優秀賞受賞。所在地は札幌市北区新川717の1。阿部穣校長。