近江(滋賀)は接戦をものにして2回戦に進出した。

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投手戦が続き、山田陽翔(はると)投手(3年)が6回に2者連続で適時打を浴びて2点を先行された。それでも打線が9回に2点を取って同点に。延長に入ってもゼロ行進が続き13回からはタイブレークに突入した。13回表の攻撃の近江は無死一、二塁から「後半に強いチームだと自分たちは思っています。どんどん振っていこうと決めていたのではたけてうれしい」と話す山田が左前適時打を放つなど4点を奪った。その裏を山田が無失点に抑えて、勝利を飾った。

17日に当初の出場校だった京都国際が新型コロナウイルスの集団感染のため、出場を辞退。近畿地区の補欠1位校だった同校の繰り上げ出場が決まっていた。その決定翌日に、多賀章仁監督(62)は京都国際の小牧憲継監督(38)から連絡をもらったと明かし「京都国際さんの分まで今日は思い切りやろうとゲーム前に言っていた。力で後押ししてもらって、ゲームができて本当によかった」と喜んだ。

急転選出からわずか3日。エースで4番の山田が躍動した。1回2死一塁の打席は左翼に大飛球のフライアウト。力強さを示した。その裏はマウンドへ。1死一塁で投手への併殺打に仕留めた。5回には今大会最速の146キロをマーク。13回を投げて7安打10奪三振2失点に「全く問題なくやれていると思います。もっと下半身を使うのが理想だが、大丈夫です」と今秋ドラフト候補の力量を見せつけた。多賀監督も「(京都国際の)エースの森下君と山田が仲良くさせてもらっている。森下君の無念をしっかりここに持って投げてくれたんじゃないかな」と熱投をたたえていた。

過去に例がない強行軍になった。急きょ代役出場が決まったため、宿泊先のホテルの手配どころではなかった。この日の午前6時半に彦根市を出発。試合後に再び、彦根市に戻る旅程になっている。吹奏楽部も53人の部員がアルプス席へ。演奏でプレーをもり立てた。