丹生(福井)は、春夏通じ初の聖地で21世紀枠の最多失点となった。先発の井上颯太投手(2年)は2回8失点で降板。昨秋公式戦で防御率1・91を誇ったエース左腕が7四死球と崩れた。「相手打者が怖かったというか迫力があった。甲子園という初めての場所で投げる緊張で荒れてしまった」。守りのミスも出た。ただ2回は一時逆転、9回も3点を返し見せ場を作り、応援に駆け付けた一塁側アルプス席を沸かせた。
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学校は越前ガニで有名な越前町にある。甲子園出場が決まってから町役場は、ふるさと納税の制度を活用したクラウドファンディングを開始。野球部の遠征費や地域一体となっての応援経費を支援しようと、最終的には75人、総額186万5000円の寄付が集まった。この日は役場近くの施設でパブリックビューイングも行われ、74人の町民が得点のたび歓喜した。来田竹竜(たける)主将(3年)は「恩をしっかり返せたと思う」と大敗にも胸を張った。
OBの玉村昇悟投手(広島)からジャージーのプレゼントがあり、部員たちは「本当にうれしい。堂々とした態度、プレーでいこう」と声を掛け合っていた。過疎地域に明るい話題となった甲子園初出場。幼少時から一緒の仲間と過ごした2時間38分に「みんなが笑顔で楽しくできていた」とエース井上に涙はなく、来田主将は「もう1回帰ってきたい」と夏に向けて成長を誓った。さわやかな笑顔のまま丹生ナインは球場を後にした。【佐藤妙月】
◆21世紀枠最多失点 丹生が22失点。21世紀枠代表校では17年多治見の21点(対報徳学園)を上回る最多失点。福井勢としても16年夏の北陸(東邦戦で19失点)を上回り、春夏を通じて県勢初の20失点以上。
◆21世紀枠全滅 大分舞鶴、只見に続き丹生が初戦敗退。15年松山東(○5-4二松学舎大付)を最後に、21世紀枠代表校は一般選考枠に勝っていない。

