<高校野球沖縄大会:コザ12-2豊見城南(6回コールド>◇19日◇1回戦◇沖縄セルラー那覇
高校野球には勝者にも敗者にもドラマがある。日刊スポーツでは今夏、随時連載「BIG LOSER」で敗れし者の隠れたストーリーにスポットをあてる。
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豊見城南には、男子部員顔負けのノッカーを務める女子部員がいた。大谷寿音(ことね)内野手(3年)。試合前のシートノックではユニホーム姿で、髪の毛を三つ編みにして左右に打ち分けた。「選手たちのためのノックなので、試合でもいいプレーができるようにという思いを込めて打ちました」。
小5の時、弟の影響で野球に出合った。長嶺中では軟式野球部と、女子野球チーム「沖縄ガールズ」の掛け持ち。「中学のチームメートはソフトボールや県外に出ました。でも、自分は『ソフトボールは違うな』と思って」。豊見城南に入学後、野球部の見学に訪れて即決した。「楽しそうにやっているのを見て、自分もやっぱり野球がやりたいと思いました。監督に(入部を)お願いして『いいよ』と言ってもらいました」。右投げ右打ちで本職はセカンド。練習では男子部員と共に白球を追ってきた。
現行の規定では、女子選手は危険防止の観点から公式戦には出場できない。そこで大谷は1年の時から「ノッカー」の道を歩んできた。この日のノックは「100%の力は出し切れたんじゃないかなと思います」。試合中は制服に着替えてスコアラー。縁の下の力持ちだった「大谷選手」の夏が終わった。【只松憲】

