南北海道・小樽地区で小樽潮陵が倶知安を1-0で下し、5年ぶりの南大会出場へ初戦を突破した。

主将で背番号1を背負う右腕、松原佑輝投手(3年)が9回2安打で公式戦初完投初完封。打っては4回1死二塁から右前に先制適時打を放つなど投打に活躍した。倶知安農・蘭越・寿都の連合チームは、小樽未来創造に11-4とコールド勝ちし2回戦進出を決めた。

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1点リードの9回2死二塁。一打同点のピンチにもマウンドの松原は最後まで強気な姿勢を貫いた。「悪いイメージを持ったらそこで負け。このバッターをしっかり打ち取る」。低めの直球で見逃し三振を奪い、公式戦初完封勝利。「今までは最高で7回までしか投げていなかった。接戦でイニングを意識せずに、打者を打ち取ることだけに集中できた」とうなずいた。

主将として投打に存在感を見せつけた。両チーム無得点で迎えた4回。1死二塁から、外角高めの直球をはじき返し右翼線に運ぶ適時打で先制点をもぎ取った。「しっかり振り抜けてよかった」と自らを援護。味方の守備にも助けられながら貴重な1点を最後まで守り抜き、春に1-4で敗れていた相手にリベンジを果たした。

中学時代は内野手を務めていた。高校入学後は主に外野手でプレーし、1年秋には背番号7をつけ左翼手で出場していた。高校2年の春から夏にかけ、チーム事情もあり投手を始めた。昨秋は背番号1をつけていたが、今春は調子が上がらずエースナンバーを譲り、春はリリーフ登板のみにとどまった。夏へ向け「上から投げても強い打者と自分は勝負できない」とフォームを変えた。上手投げだった腕の位置を少し下げスリークオーター気味にした。球威に勢いが増し、自信をつけた。

中矢秀人監督(51)は「3年生同士の投げ合いだからいけるところまでいけと言っていた。よく投げ切ってくれた」とたたえた。同校は今年で創立120周年と節目の年を迎えた。14年には南大会で決勝に進出。東海大四(現東海大札幌)に敗れ、あと1歩で甲子園には届かなかったが準優勝の実績はある。5年ぶりの南大会へあと2勝。松原は「自分たちは全道を目指している。倶知安の分も背負ってしっかり戦いたい」と次戦を見据えた。【山崎純一】

◆松原佑輝(まつばら・ゆうき)2004年(平16)12月16日、余市町生まれ。余市沢町小1年時に野球を始める。余市西中時代には余市シニアでプレー。小樽潮陵では1年秋に背番号7で初めてベンチ入り。家族は両親と妹。趣味は勉強。血液型A。177センチ、76キロ。右投げ右打ち。

▼接戦に敗れた倶知安・横山大兜(やまと)主将(3年) チームで2安打しか打てなくて、そこが反省点でもあり悔しいところ。後輩のためにはいい試合になったのかなと思うので、頑張ってほしい。