第104回全国高校野球選手権東・西東京大会の合同開会式が9日、神宮球場で行われた。昨年に続き、感染対策のため、各校の主将とプラカード係の2人がマスクを着用して行進した。

選手宣誓を務めたのは、関東第一・秋葉皓介主将(3年)。堂々とした口調で、言葉を響かせた。

「今年は野球が日本に伝来してから、150年という節目の年です。この150年、日常を一瞬で奪った戦争、そして多くの尊い命が失われた大震災の中で、先輩たちは野球ができないという苦難を乗り越え、野球というスポーツの楽しさを伝えてきました。現在、私たちの目の前では、コロナを初めとするさまざまな問題が起こっています。しかし、支えてくれた人の協力のおかげで、今こうして、神宮球場に立つことができています。だからこそ、私たちはこの大会を全力でプレーし、刻一刻と流れるこの瞬間を大切にし、未来へつないでいきます。この夏、私たちはこれまで支えてくださった方、応援してくれた方に感謝し、野球人として、この伝統ある野球を愛し、高校野球に新たな歴史を刻むことを、ここに誓います」

強い日差しが照りつける中、およそ2分にわたる宣誓を終え、「毎日夜遅くまで練習してきた。確実に言えてうれしい」と、ホッとした表情で振り返った。宣誓には、野球が受け継がれてきたことへの感謝を込めた。「野球ができるのは先輩方や先人たちの思いがあったから。それをこの先もつないでいきたい」と、力強く話した。

東・西東京大会ともに9日は開会式のみで、試合は翌10日からスタートする。今夏は東大会に127チーム(141校)、西大会に125チーム(131校)が参加し、全国高校野球選手権大会(8月6日開幕=甲子園)の出場を懸けて熱戦が繰り広げられる。

今大会は「継続試合」が導入され、天候不順などで試合続行が難しくなった場合は、原則翌日に中断した場面からプレーを再開する。

日程通り進めば、決勝は東大会が7月30日、西大会が同31日にいずれも神宮球場で行われる。