強い日差しが降り注ぐ神宮に、熱戦の始まりを告げる歌声が響いた。

第104回全国高校野球選手権東・西東京大会の開会式で、国立音楽大付・小沢花音さん(3年)が君が代独唱を、同校の津田茜さん(3年)が大会歌独唱を担当。それぞれ大役を務め切ると、会場からは大きな拍手が送られた。

小沢さんは白い衣装で登場。行進を終えた主将とマネジャーの前で君が代を独唱し「球児の皆さんに力をいただいて、楽しんで歌うことができた」と、ホッとした表情を見せた。大好きだった祖母が先日亡くなったことを明かし、「祖母は開会式で私が歌うことを楽しみにしていたので、祖母にも届くように歌った」と、涙を浮かべて振り返った。

黒い衣装に身を包み、大会歌の「栄冠は君に輝く」を歌い切った津田さんは、「1人1人の選手へ“君に輝く”という思いが伝わるように意識した」と、こだわったポイントを説明。「この場に立たせていただいたことに感謝したい」と話し、すがすがしい表情を浮かべた。

2人は2年生だった昨年も、校内のオーディションに参加。しかし、残念ながらともに落選し、「来年こそは2人で出ようね」と約束を交わしていた。最後の夏は大役をつかみとり、「念願がかないました」と声をそろえて喜んだ。球児たちと同じくらい、2人も神宮で輝いた。