進学校の海城(東東京)が正則に7-1で勝利し、初戦を突破した。

序盤に両チームの選手が足をつる暑さの中、エース江口直希投手(3年)は冷静だった。「マウンドは涼しかったです。楽しかった」。8回を被安打6の7奪三振、1失点にまとめた。

逆境を、自ら考えて乗り越えてきた世代だ。入学直後、コロナ禍で登校できない時期があった。部員で、スクワットなど練習メニューを考えた。補食も積極的にとったことで、181センチ83キロの体格に。「パンツが破れたり、制服のズボンをはこうと思ったら入らなくて…」。投げてみると、球威は格段にアップした。

グラウンドは70メートル×80メートルほどの大きさで練習は週3日。サッカー部、アメフト部などと共用のため、全面を使えるのは1日だけ。フリー打撃もできないため、ティー打撃の種類を増やすなど自分たちで工夫する。

大会を前に、元ロッテ渡辺俊介氏の長男で東大に現役合格した渡辺向輝投手ら、1学年上の先輩たちからエールを送られた。「最後まで野球をやっても、受験は間に合うから」。

江口は「取りあえず野球をやって目標はベスト16。勉強はそれからです」と前を向いた。【保坂恭子】

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