“有言実行”のスイングが、大事な初戦で輝いた。今春県8強で第5シードの東北学院榴ケ岡が、古川黎明に10-0で5回コールド勝ち。難波颯十(はやと)内野手(3年)が先制適時打を含む2安打3打点でチームをけん引した。19年の4強入りを見て進学し、迎えた自身最後の夏。先輩たちを超える、目標の甲子園出場に目指して突き進む。

今大会初戦でも、難波はボールに負けなかった。先制点が欲しい1回2死一、二塁。カウント2-2から5球目を捉え、先制の左前適時打。送球間に二塁に進塁すると、後続の右前打で一気に生還。声を張り上げてさらにチームを盛り上げた。続く5点リードの第2打席は2回2死二、三塁。「自分に回してくれたチャンス。そこでも初球からどんどん振っていこう」と初球を2点中前適時打。勝負強さを存分に発揮してコールド発進に貢献した。

男に二言はない-。今春の県大会2回戦の柴田戦に「5番二塁」で出場。1回に初球から先制となる左前適時打を放ち、勝利を呼び込んだ。そして夏の大会前。チーム全員の前で行われる決意表明では「チャンスで初球から」と掲げ、挑んだ打席だった。積極性のある打撃で結果を残すことができ、「達成できて良かった」と目を細めた。

同校で最も長い夏にする。入学前の19年、先輩たちの4強入りは「覚えています」と難波。20年はコロナ禍で中止となり、21年は準々決勝で後に優勝する東北学院に敗戦。「同じ校歌を歌っていたので次の年は自分たちが榴ケ岡として校歌を歌いたいと思った」と当時を振り返る。

自分たちが最終学年で臨む夏。「チームで甲子園にいって校歌を歌うというのを目標にしてきたが、夏は一戦必勝」と意気込む。92年は準優勝。歴史を塗り替えるべく、2回戦も一戦必勝で戦う。【相沢孔志】