湯本と遠野が4月に統合され開校した、いわき湯本が10-2の7回コールドで福島工を破り、新校名で夏初勝利を挙げた。

小野裕久監督は「立ち上がりを『0』に抑えられたことがすべてだったと思います」と振り返った。初回1死、四球と捕逸で得点圏に走者を進め、いきなりピンチを招いたが、エース右腕・芳賀雅也投手(3年)が踏ん張って得点を許さなかった。芳賀は「何としてもチームに良い流れを持ってきたかったので、今まで自分がやってきた努力とキャッチャーの配球を信じて、強く投げました」。守備から流れを作り、その裏に1点を先制すると2回にも4点を奪い、試合の主導権をものにした。

全員で戦う。チームはマネジャーを含めて39人。指揮官は「一体感をテーマにずっとやってきています」。10-1で迎えた7回1死、芳賀が相手の1番打者に四球を与え、その後上位打線につかまって追加点を許した。焦るエースに指揮官はベンチから伝令を送り、「39人で最後のアウトを1つ取りに行こう」と伝えると、エースは立ち直って最後の打者を三ゴロに打ち取った。芳賀は「応援の声もすごく聞こえて、39人全員で戦っているんだなとうれしくなりました」と、チーム一丸で得た勝利を喜んだ。まずは夏1勝。さらに勝ち進み、全員で「いわき湯本」の歴史をつくっていく。