夏の甲子園34度出場、3度の優勝を誇る龍谷大平安が、初戦を危なげなく突破した。

先制された直後の1回、暴投、二ゴロの間に2点を返して逆転。3回は先発の市原一翔投手(3年)の制球が定まらず、1死満塁から吉松優成投手(3年)が登板。2者連続三振でピンチをしのぎ、2回2/3を投げ1人のランナーも出さなかった。打線は5回に打者一巡で7安打8得点、敵失も絡めて一方的に責め立てた。

選手たちが躍動した裏には、今春就任したOBで元オリックスの川口知哉コーチ(42)の存在がある。「けがをしない投げ方を教えて、見きわめることが大前提。しかし最初から全てを言わない。最初は選手に任せて、そこから足りない部分を一緒に考えていく」。選手が主体的に考え、コーチがそれをサポートする指導で成長を促している。吉松は、川口コーチについて「フォームがしっくりきていなかったが、川口コーチのおかげで、自分の長所を生かしつつ、投げやすいフォームを教えていただいた」と感謝。練習以外の時間も野球の話ばかりで、高校3年の夏に甲子園準優勝した経験も還元している。

昨秋の京都府大会はベスト8、春季大会は3位と成績を上げており、19年春以来の聖地を目指す。【小松将大】