比叡山が7年ぶりの甲子園へ好スタートを切った。エース田村航輝投手(3年)が8回無失点と試合を作り、序盤苦しんだ打線も長短打で得点を重ねた。

1-0の6回、1点を追加しなお1死一塁。6番の今田陽晟(ようせい)捕手(3年)が高めを振り抜き、左翼芝生席にアーチを描いた。高校通算2号で公式戦では初の1発。左打者が多いチームの中で「大会のキーマンになるぞ」と河畑成英監督(38)は右打ちの今田に告げていた。

前の打席でも左越え二塁打で先制のホームを踏んでいた。打線は八日市の左腕、隈元颯之助投手(3年)の緩い変化球に苦しめられていた。4回まで0-0。予想通り、右打者のバットで試合が動いた。「今田がよく打ってくれた。練習で芯によく当たっていたので、期待していた」と監督も喜んだ。

1年時からバランスを重視した食トレで体を作り、苦手だったトマトも大好きになった。鋭いスイングを身につけた今田は「田村を助けたかった。こすりすぎたと思ったけど、入ったのを見て最高の気分でした」。

チームの目標は甲子園ベスト16だ。センバツ準優勝の近江がいる滋賀大会も激戦になる。無失点リレーも演出した背番号2は「うちはチャレンジャー。下克上の野心を持って、近江に勝ちたい」と意欲を燃やした。【柏原誠】