甲子園出場3回の東亜学園は、ノーシードから頂点を狙ったが、3回戦敗退となった。

9回2死二塁、打席は4番の主将、阿出川璃大(あでがわ・りお)外野手(3年)に回ってきた。「自分がつなげば、チャンスがあると思っていた」とボールに食らいつき、一、二塁間へ強いゴロを放った。

「抜けてほしい」と願いをこめて、一塁にヘッドスライディング。外野へ抜けるかと思った当たりは、二塁手の好守に阻まれてアウトだった。

試合後のあいさつまでは気丈にこなしたが、その後は涙が止まらなかった。ユニホームの前面には、アンツーカーの土がびっしりついていた。「2年生の投手が踏ん張ってくれたのに、3年生の守備のミスが…」。

主将としてチームでプレーを引っ張りたかったが、ケガでの離脱が多かった。死球で左腕を負傷し、目にボールが当たったこともあった。

今年6月中旬には練習試合で左太もも裏を肉離れ。「夏は、両親やOB、学校の先生に絶対に恩返しがしたかったです」と言葉を絞り出した。