千葉に、新星が現れた。専大松戸の2年生右腕・平野大地投手が、自己最速の150キロを記録した。

8-1で迎えた9回。今夏、初マウンドに立ち、自信のある直球に力を込めた。球速は146キロ、147キロ、148キロ、149キロと1キロずつアップし、7球目の球速は150キロを記録。「緊張したけど、自分の力を出し切ることを考えました」。自己最速だった147キロを3キロ更新し、1安打無失点の好救援。「150キロは1つの目標。自分でもビックリです」と淡々と話した。持丸修一監督(74)は、プロ野球へ進んだ歴代の教え子たちと比べ「上沢(日本ハム)の高校時代よりも、完成されていますよ」と評価した。

一番自分が輝ける場所に立ちたい-。取手シニアでは2番手の捕手だった。「ずっと投手をやりたかった」と高校入学後、持丸監督に「投手をやらせてください」と直訴した。念願の転向を果たすと、練習に没頭。帰宅後のシャドーピッチングは深夜0時30分を過ぎることも。直球のキレと伸びを重視し、食事の量を増やし体重も18キロ増。投球の力強さが増し、球速は130キロから20キロもアップした。

あきらめない気持ちは、社会人野球・現JFE東日本で野手としてプレーした父・勝広さんから学んだ。小1で野球を始めると、平日は毎日、父と打撃練習。上手にできず泣きだしても「最後は自分だぞ」と突き放された。「できるまで練習しました。今となってはそれが身になっています」と感謝する。

鮮烈な夏のデビューを飾った平野。「球場の真ん中で投げていて気持ちがいいです」。次に目指す場所は、甲子園のマウンドだ。【保坂淑子】

◆平野大地(ひらの・だいち)2005年(平17)7月9日生まれ、茨城県稲敷市出身。小1で新利根エンジェルス、小4で竜ケ崎リトルに入団。新利根中では取手シニアで捕手としてプレー。専大松戸では1年秋にベンチ入り。2年春に1試合に登板。180センチ、81キロ。右投げ右打ち。

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