準々決勝に入り、東海大甲府の打線が振れてきた。身延の好左腕・浦野瑶平投手(3年)を、2回の4者連続を含む連打でたたみかけ攻略。本塁打なしで8点を奪い、7回コールド勝ちした。策士・村中秀人監督(63)は「いい投手だからそうは点は取れないと思ったが、変化球を頭に置きながら真っすぐに対応、と伝えた後、中盤にうまく打線が機能した」と言った。

これで狙い通りに宿敵山梨学院と23日の準決勝でぶつかる。「秋、春と徐々に力の差は詰まってきている。投手陣は相手を3点に(抑え)、こっちは最低でも5点は取りたい」。この監督の思いを、選手も把握している。主将の乙黒颯斗内野手(3年)は、山梨学院の先発はエース榎谷か、この日11奪三振の山田かと聞かれると「山田で来ると思います」と即答。対策は「初球からどんどん積極的に打っていきます」と、打って勝つ思いにブレはない。

17日の3回戦は、山梨学院が塩山に快勝した直後に日大明誠と戦った。そこで山梨学院にじっくりスカウティングされている。村中監督は、それを念頭に「十分にスキはある」と自信をのぞかせた。ライバル校同士、すでに激しく火花を散らしている。【井上真】