創志学園が激しい打撃戦を制し、4強に進んだ。

今大会限りで退任する長沢宏行監督(69)が「すごい試合だった。どないなるんかな…と。選手たちの粘り強さを感じました」と苦笑いする激戦だった。

先制し、追いつかれ、勝ち越すと逆転され、またひっくり返した。中盤までは先の見えないシーソーゲーム。ポイントになったのは4回の守備、そして直後の5回の攻撃だ。

3-1で迎えた4回の守備。相手の連打が止まらず、犠打失策をはさんで先頭から4連打。3点を奪われ、3-4と逆転された。なおも1死二、三塁とピンチは続く。ここでスーパープレーが飛び出した。

二塁後方に上がった飛球を二塁の岩本遥大(3年)が「絶対、落とさず捕ったる」と後ろ向きにスライディング捕球。飛び出した二塁走者も刺して併殺にした。「あれがなければコールド負けしていたかもしれない。本当に大きかった」。春夏5度の甲子園に導いた長沢監督も試合のポイントに挙げた。

直後5回の攻撃。指揮官が選手に告げた。「おまえたちはやってきたんだ。落ち着いてやればいい」。岩本のスーパープレーでつかみ返した大事な流れを、生かした。5安打を浴びせて再逆転に成功。エースの岡村洸太郎(3年)が満塁から3点三塁打を放ち、9-4とした。

適時打2本の4番金田恭汰内野手(3年)が言う。「苦しい場面だった。あの言葉で気持ちが楽になった。監督は厳しい時もあるけど、いつも選手を最優先してくれて、自分たちのことをよく考えてくれている」。

エースの岡村は粘り抜いて完投した。得意の外角の出し入れに苦労した。研究もされていた。6失点は新チームになって初めての経験だという。他にもハイレベルの投手をそろえているが長沢監督は我慢して、エースを代えなかった。

試合中もベンチから野手陣に「打たすからな」と声をかけ、右腕を励ました。「途中からは最後まで岡村でいこうと。いい勉強になったでしょう」。岡村は「4回は冷静になれず、連打されてしまった」と反省したが、その後は試合を落ち着かせた。

負ければ勇退の長沢監督は「夏は本当に怖いです」」と言葉に実感を込めた。【柏原誠】