今春センバツ8強の九州国際大付(福岡)は、初戦が名将・馬淵史郎監督(66)率いる明徳義塾(高知)に決まった。元プロの楠城徹監督(71)は、西武や楽天のスカウト時代に馬淵監督と交流があったことを明かし「高校野球を代表する監督なので、すごくうれしいです。馬淵監督は『ザ・高校野球の監督』というイメージ。1度は戦ってみたかった」と、対戦を心待ちにした。

戦力は申し分ない。体重104キロの2年生巨漢スラッガー、佐倉〓(人ベンに峡の旧字体のツクリ)史朗内野手は絶好調。福岡大会では通算24打数12安打で打率5割、3本塁打、17打点でチーム3冠の活躍を見せた。主将の野田海人捕手(3年)はこの日、家庭の事情により欠席。代理で抽選くじを引いた副主将の中上息吹(いぶき)外野手(3年)は「佐倉の調子はいいですし、(プロ注目の3番)黒田も調子が上がってきた。チーム的には良い状態だと思います」と自信をのぞかせた。エース左腕の香西一希投手(3年)も、体調不良から戦列復帰する。

福岡大会の決勝戦後。楠木監督も含め、ナインが「甲子園でやり残したことがある」と口をそろえた。準々決勝で敗退した春のリベンジを期する夏。まずは春夏合わせ42度の甲子園出場を誇る名門校と顔を合わせる。楠木監督は「高校野球でナンバーワンのチームだと思う。ぶつかっていくだけです。小細工が効く相手じゃないので、真っ向から挑戦していきたい」と表情を引き締めた。【只松憲】

 

○…鹿児島実が、鹿児島県勢の借りを返す。初戦に決まった明秀日立は、今春のセンバツ1回戦で同じ鹿児島の大島を下した宿敵だ。主将の駒寿(こまじゅ)太陽外野手(3年)は「春に大島高校が負けているので、自分たちが大島高校の分まで頑張って勝ちたいと思います」と、リベンジを誓った。

○…明豊(大分)は大会初日の第2試合で、樹徳(群馬)との初戦が決まった。エースで主将の江藤隼希投手(3年)は「開幕日なので驚いた。日にちも近いですし、しっかり準備をしていきたい」と急ピッチで調整を進める。昨夏は1回戦敗退。夏の最高成績の8強超えに向けて「挑戦者の気持ちで、1回表1打席目から100%のパワーを出せるように」と意気込んだ。

○…海星(長崎)は、20年前の再現を目指す。日本文理とは02年夏にも初戦で戦っており、当時は8-1で快勝。同試合は加藤慶二監督(48)の就任初の甲子園采配でもあった。指揮官は「20年ぶりですかね。その頃を思い出しました。懐かしいな」と、当時を回顧。最速147キロ右腕の宮原明弥(はるや)投手(3年)と向井恵理登投手(3年)のWエースが中心で「彼らの出来が左右する」とポイントに挙げた。

 

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