下関国際(山口)のプロ注目、最速147キロ左腕・古賀康誠投手(3年)が6回1安打無失点、6三振を奪う好投で18年以来4年ぶり2度目の8強入りに貢献した。

140キロ前後の直球に、自慢の緩急2種類のスライダーを織り交ぜ、6回2死までノーヒットノーランペースの快投でけん引した。

“江夏2世”の古賀が、プロ通算206勝左腕に負けじと快投を演じた。

阪神や広島で活躍した江夏豊氏(74)に憧れ、動画を参考に「前向きにそういう風に投げています」という。初回から「メンタル部分が好きです」という強心臓ぶりで打者と対峙(たいじ)した。

ノーヒットノーランを続けていた5回を終え、坂原秀尚監督(45)からベンチで「早く(ヒットを)1本打たれなさい」と気遣う声をかけられた。だが、「このままずっとノーヒットで行こうと頑張りました」と逆に気合。6回2死から相手1番に左中間二塁打で初安打を許したが、「打たれた感覚だけで、ヒットは問題なかった。次のバッターをストライク先行で抑えに行きました」と切り替えた。そして、「江夏ばり」の強気で後続を遊ゴロに打ち取った。

6回で交代したこの日、特に「普通のスライダーでカウントを取りに行き、速いスライダーは三振を取る時で使い分けている」という緩急2種類のスライダーがさえた。さらに、「初戦は体が開いてボールが抜けていたので、壁を作って、しっかり前で(ボールを)離すようにやった」といい、初戦の反省も生かした。

準々決勝へは「次も勝って、先輩方が残されたベスト8を超えたい」とし、3戦連続先発で初の4強に導く強い覚悟だ。【菊川光一】