第75回秋季全道高校野球(29日開会式、30日開幕、札幌円山ほか)の組み合わせが21日、決まった。14年ぶり出場の北見柏陽は、駒大苫小牧-北照の勝者と初戦で対戦する。地区予選では3戦計16犠打と堅実な野球で勝ち上がってきた。8強に進出した前回出場の08年同様、地道に1勝ずつ積み重ね、センバツ切符を狙う。

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こつこつ野球で上を目指す。初戦は駒大苫小牧、北照のいずれがきても経験豊富な道大会常連校。難敵相手も、主将の秋山来斗捕手(2年)は「支部を勝ち上がった自分たちの粘りを生かし、まず1勝を目指したい」と意気込んだ。

北見地区では3戦16犠打と堅実野球で勝ち上がった。独立リーグ四国IL愛媛の内野手としてプレー経験がある鈴木快監督(36)は自らの体験も踏まえ「いい投手はなかな打てない。チャンスを確実に生かしたい」とバント練習を徹底。9犠打を決めた代表決定戦の遠軽戦は、延長11回に3者連続バントで3点をもぎ取り代表権を勝ち取った。

チーム内競争の激化も、レベルアップの一因だ。今春、昨年全道準優勝した北見北光中出身の5人を含む17人の1年生が加入。今秋の新体制始動時の人数は、昨秋より10人多い23人で、常に紅白戦ができるようになった。鈴木監督は「実戦形式の練習が増えることで慌てないでやれるようになった」と効果を口にした。

同監督は、豊富を率いていた20年夏の名寄地区代表決定戦で、9回に5点差を逆転され敗れた。その経験から「最後まで集中できるように」と、通常練習の最後に、選手に内緒の“シークレットメニュー”を加える。「腕立てまつり」や「タイヤ4種」と呼ばれる過酷なフィジカル練習が主だが秋山は「みんなで頑張ることで精神的な粘りがついてきた」。屈強なメンタルを武器に、70年夏以来の聖地を目指す。【永野高輔】

◆選手宣誓役に決まった帯広農主将の干場雄心内野手(2年) 宣誓はびっくりした。中学以来。しっかり務めたい。初戦は北海と強い相手だが、勝てば勢いに乗れる。

◆秋2連覇がかかるクラーク主将の新岡歩輝投手(2年) 去年は先輩に神宮やセンバツに連れていってもらい貴重な経験ができた。今度は僕らが後輩たちを引っ張っていきたい。