今年も注目選手を要チェックします! 今秋のプロ野球ドラフト会議の指名候補を、23年も「ニッカン・オリジナルカード」付きで紹介します。3回でお届けする新春ドラフト候補企画第1弾は投打で1位候補がそろう高校生編。高校通算106本塁打の花巻東(岩手)・佐々木麟太郎内野手(2年)をピックアップする。

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プロ注目の佐々木麟は「花巻東で日本一」の実現に全力を注ぐ。昨秋の東北大会で初戦敗退し、2年連続のセンバツ出場は絶望的。1年時から主力でプレーしてきたが、甲子園へ残るチャンスは今夏の1度だけだ。今冬は打撃や体作りを一から見直す期間にするという。主将としては「最後の大会で目標を達成できるように、チームをゼロから変えていきたい」と意気込んでいる。

驚異のペースで本塁打を量産してきた。入学式から3日後の21年4月10日、大船渡(岩手)との練習試合で高校1号。昨年最後の練習試合となった11月27日の横浜隼人(神奈川)戦までに106本を積み上げた。

高校通算本塁打記録とされる早実(西東京)・清宮(現日本ハム)の111本更新は時間の問題だ。それでも、当の本人は「記録とか関係なく、チームが勝つためのバッティングをしたい」が本音。名だたる選手が放った本塁打数に並んでも、超えても、「目標の本数はない」と言い切る。

今秋ドラフトでは堂々の1位候補で、NPBスカウトの熱視線を浴び続けている。将来的には花巻東OBのブルージェイズ菊池、エンゼルス大谷と同じ大リーガーの夢を抱くが、卒業後の進路はプロ入りか、進学か、社会人か、現時点では未定。どんなに試合で大爆発しても「自分はセンスがない」と言い聞かせ、地道にバットを振ってきた。「誰から見ても必要とされるバッターを目指したい」という主砲が、前人未到の未来を切り開く。【山田愛斗】