高校野球の歴史に挑む1年が始まる。順当に選出された大阪桐蔭はエース前田悠伍投手(2年)を擁して、史上初の2度目のセンバツ連覇を目指す。

春の連覇は30、31年の第一神港商(兵庫)、81、82年のPL学園(大阪)、そして17、18年の大阪桐蔭だけしかない。センバツ優勝は過去に4度あり、今年も頂点に駆け上がれば、東邦(愛知)の5度に並び史上最多になる。

もし、春に続いて夏の甲子園も制すことがあれば春夏の優勝回数は「11」に達する。中京大中京(愛知)が守ってきた大記録に、ついに肩を並べる。簡単なことではないが、大阪桐蔭は唯一、2度の春夏連覇を成し遂げている学校だ。

1931年(昭6)春に甲子園に初登場した中京大中京に対し、大阪桐蔭の初登場は91年(平3)春。その年の夏には早くも優勝した。60年の差を猛烈な勢いで埋めてきた。

優勝回数に比べて、出場回数(龍谷大平安76度目、大阪桐蔭26度目)や勝利数(中京大中京136、大阪桐蔭72)にはまだトップと大きな開きがあるが、逆に近年の圧倒的強さが際立つ。

西谷浩一監督(53)の金字塔も近づいている。監督としての甲子園勝利数は64勝。1位の高嶋仁(智弁学園、智弁和歌山)の68勝にあと4に迫っている。センバツに限っても現在28勝で、31勝のPL学園・中村順司(PL学園)が目前にいる。今大会で優勝すれば5~6勝の積み上げとなり、両記録を塗り替える。ちなみに優勝回数8度はすでに歴代トップ。春4、夏4もそれぞれ1位だ。

全国の強豪校が今年も「打倒・大阪桐蔭」を掲げて立ち向かってくる。前チームから突出した実績を残すエース左腕がいるだけに、西谷浩一監督も「前田はターゲットにされる」と断言する。前田の存在は絶対的な強みだが、次に続く投手の頑張りがないと、短期決戦の甲子園では勝ち抜けない。それは過去の優勝チームを見ても明らかだ。

異次元の勲章を手にしようとしている大阪桐蔭。今年は甲子園でどんな戦いを見せるだろうか。

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