<センバツ高校野球:大阪桐蔭3-1敦賀気比>◇20日◇2回戦

大阪桐蔭・前田悠伍投手が毎回の14奪三振、与四球1(死球1)で甲子園初完投。甲子園通算5試合目で50奪三振、与四球5となった。奪三振が多く、制球力もある。K/BB(奪三振÷与四球)は10.0。三振が四球の10倍ある。

打力が向上した74年夏の金属バット採用後、甲子園で通算40回以上を投げ、K/BBが10以上は14.5の75年山岡利則(高知=42回、三振29、四球2)、17.0の87、88年木村龍治(中京=43回、三振34、四球2)、15.5の92年森尾和貴(西日本短大付=45回、三振31、四球2)しかいない。

左投げは75年春に原辰徳らの東海大相模を決勝で破った山岡1人だ。前田はまだ31回1/3だが、トータルでどんな数字を残すか。勝ち進んで回数を投げれば、58年城戸博(済々黌)が記録した左腕大会最多の53奪三振に届く可能性を秘めている。【織田健途】

◆毎回奪三振 大阪桐蔭・前田が記録。春の毎回奪三振は、継投を除き22年五島幹士(大垣日大)が只見戦で記録して以来。

◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県長浜市出身。小学6年時にオリックスジュニア選出。高月中時代では湖北ボーイズに所属。昨秋の神宮大会では、準決勝の仙台育英戦で完投するなど大会初の連覇に貢献。180センチ、80キロ。左投げ左打ち。

◆大阪桐蔭の主将 前田はエースで主将。大阪桐蔭の甲子園出場時に背番号1で主将だったのは、10年春の福本翼以来2人目。