今大会に出場する全36校が出場し、「投高打低」のデータが浮き彫りとなった。16強が出そろうまでに2桁得点がなかったのは74年以来で、75年の金属バット採用後は初の珍事となった。

2回戦終了までの20試合で、1試合の両チーム合計平均得点は5.8点。大会全体の1試合平均得点と比べると、6点未満は75年以降で78年(5.5点)と08年(5.7点)の2度のみ。来春から新基準のバットが導入されるため、野球の華とも言える本塁打はさらに減る可能性もある。在京スカウトは「今年はセンバツの時期にしては気温が暖かく、打者にとってはいい条件だと思うが、大きなフライも少ないと感じる」と打力を分析した。

一方、140キロ以上を計測した投手は22人。昨年の12人を大幅に上回った。「ドラフト候補としてリストアップしている高3は投手が圧倒的に多い。コロナ禍の影響も受けている世代だが、投手のレベルが高いと思う」と評するスカウトもいた。3回戦に突入した今大会。2巡目以降、実戦感覚が戻ってきた選手たちの戦いから目が離せない。