センバツ高校野球は今日31日に準決勝を迎える。休養日だった30日、4校はそれぞれ調整を行った。2試合連続サヨナラ勝ちの報徳学園(兵庫)は連覇を狙う大阪桐蔭と激突。打率6割の林純司内野手(3年)は、中学時代にバッテリーを組んでいた大阪桐蔭・前田悠伍投手(3年)打ちを誓った。山梨学院と対戦する広陵(広島)のスラッガー真鍋慧内野手(3年)も上り調子で打席に立つ。

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報徳学園には最強左腕を知る男がいる。自校グラウンドでのフリー打撃。林は、前田をイメージしながら左投手のボールを鋭く広角に打ち返した。「この冬は大阪桐蔭を意識してやってきました。前田に対しても、自分から攻めていくだけ。素振りでもずっと前田をイメージしてきました。内角の直球を一発でしとめたいです」。旧友の得意球に狙いを定めた。

今は二塁手だが湖北ボーイズ(滋賀)では捕手としてバッテリーを組んだ。研究のため前田の映像を見ていても「攻め方は中学の時と一緒だと思う」。次にどんな球を投げたがっているかも分かるという。この日はチームで大阪桐蔭対策のミーティングを開いた。

昨秋の近畿大会決勝は0-1と3安打完封された。林は3打数無安打だった。「変化球を狙うか、直球を狙うかなど、割り切る勇気が必要になる」と攻略ポイントはつかんでいる。中3当時より当然スピードやキレは上がったが、林も成長を見せるつもりだ。

28日の東邦戦で本塁打を放つなど、この2試合で6安打と絶好調。「恐怖の8番打者」の活躍もあり、2日連続の延長10回タイブレークサヨナラ勝ち。最高のムードで王者にぶつかる。

卒団の際には「甲子園で戦おう」と約束し、準決勝の舞台で実現させた。「やっと近畿の借りを返せます。大阪桐蔭は守備も打撃も投手も隙がない。うちは勝負強さ、粘り強さにこだわりたい」。絶対に負けられない戦いだ。【柏原誠】