新発田中央のエース野口映瑠(はる)投手(3年)が5回参考ながらノーヒットノーランを演じた。新潟北に10-0。ネフローゼ症候群の病み上がりだったが、許した走者は3四球と1失策の4人だけだった。

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野口は投げられる喜びをかみしめながらマウンドに立った。ネフローゼ症候群で10日間の入院から16日に退院したばかり。円山宏大監督(40)から「待っているぞ」と入院前に電話で励まされ、苦しい入院生活を乗り切った。そしていきなり、春の初戦で5回参考ながらノーヒットノーラン投球だ。「退院間もないのに、よくできたかなと思う」とエースは自分自身に及第点を与えた。

立ち上がりは何度も得点圏に走者を許した。1回は野手の失策で先頭打者が出塁。2死三塁のピンチを背負ったが、3アウト目は空振りの三振で切り抜けた。「味方のミスはカバー。絶対に点はやらない」とエースにふさわしい向こう気の強さ。2回も先頭に四球を与え、犠打で1死二塁とされながら2者連続の空振り三振だ。相手打者は14打数のうち、一度も外野に打球を運べなかった。

「やってやる、という感じ。すべてをぶつける」と意気込む野口は「チームを4強に導くのが役割」と強気に言った。円山監督は「まだ入院前の60%くらい」と試合を重ねながらのエースの完全復調に期待していた。【涌井幹雄】