加藤学園の背番号「15」が大舞台で躍動し、東海大会の切符をたぐり寄せた。

公式戦で初めての先発を託された小沢亨彦(あきひこ)投手(2年)は、9回2死まで完封ペース。あと1人の場面で3連打を浴び1点を失うも、2番手・鈴木日陽投手(2年)のリリーフを仰ぎ勝利を手にした。「自信になった。バックを信じて丁寧に投げ込めた結果。今日は腕が振れてスライダーがよかった」と笑顔を見せた。身長164センチの小兵ながら、130キロの直球と切れ味鋭い変化球で強打・開誠館打線を9回9安打5奪三振。走者を許すとギアを上げて要所を締めた。「3回までは緊張していたが中盤から楽しく投げ込めた。次は最後まで投げたい」。試合前日に監督から先発を告げられ「びっくりした。少し不安に感じた後、やってやろうと強い気持ちが出てきた」と心境を語った。

打っては1-0で迎えた9回2死二塁の場面で適時三塁打。公式戦初安打・初打点を記録した。「完璧な手応えでした」と振り返った。

米山学監督(45)は「小沢は上出来です。投球術と制球に優れていた。夏に向けて、うれしい誤算」と喜んだ。さらに県大会3試合で33得点と大差で勝ち進んできたチームは、この日、接戦での戦いも制した。「チームの底上げができた。大収穫です」と語った。4年ぶりの決勝は、同じ東部地区の日大三島。あとは初制覇を飾って東海大会に乗り込むだけだ。【山口昌久】

○…浜松開誠館 今大会初先発となった広崎蓮投手(3年)が、2失点(自責1)完投と力投した。昨秋の県準々決勝(5●8)では2回2/3で5安打を許した相手に、9回9安打と奮闘した。打線の援護なくチームは敗戦。春連覇を逃したが、広崎は「今の全力を出して良い球が投げられた。夏に向けて自信になると思う。この経験を生かして、もっとレベルアップしたい」と顔を上げた。