帝京長岡が3本塁打を含む11安打で新潟を11-0の5回コールドで破り、8強に進出した。7番・成瀬望歩(のあ)三塁手(3年)が4回表に左翼へ2点本塁打を放つなど3安打3打点の活躍で、レギュラー定着へ、猛アピールした。

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コンパクトに振り抜いた打球が左翼のフェンスを越えた。4回表2死二塁、ファウルで粘りながら迎えた9球目。真ん中高めに浮いた直球を帝京長岡の7番打者、成瀬は逃さなかった。ヘッドを立てた鋭いスイングで勝利を決定づける2点本塁打を放った。「最初はフライかと思ったが、芯だったので感触は良かった」と笑顔で振り返った。

成瀬の本塁打はこの試合、チーム3本目。初回の3番浮ケ谷航平一塁手(3年)の左中間ソロ、2回の5番竹部新之介捕手(3年)の右中間ソロに続いた。「自分の性格上、周りが打ってるのは気にしてた」と本塁打への意欲も見せた成瀬は3安打3打点と大暴れした。

昨夏、チームは準優勝の結果を残したが、秋は3回戦敗退。「自分らの代で結果を残せなくて悔しい思いをした」と秋の敗戦を糧に猛練習を重ねた。「この冬はスイング量を増やした」と多いときで1000スイングと振り込んできたバットで結果を残した。

成瀬は昨夏まで捕手だったが、新チームになった秋から出場機会を求め、内野手に挑戦する。「高校野球は出ないと楽しくない。出られるならどこでも守る」と試合出場増へ、アピールを続ける。【大島享也】