山形は鶴岡東が日大山形に14-5の大勝で4年ぶり6回目の優勝を果たした。森神晴樹主将(3年)が3安打5打点の大活躍でチームをけん引した。

 

県大会ではここまで出番がなかった主将が、決勝の舞台で輝きを放った。2回1死一、二塁、高め直球を振り抜き、先制中越え適時二塁打。5回2死三塁では、三塁を強襲する適時内野安打。11-5で迎えた9回2死満塁では走者一掃の適時二塁打。ダメ押しの3点を追加し、日大山形の反撃モードを断ち切った。チームトップの3安打5打点をマーク。佐藤俊監督は「大活躍でしたね」とうなった。チームは15安打の猛攻に加え、被四球が「8」。森神主将は「全員が1球1球に、目の前の相手に集中していた。優勝につながってよかった」と振り返った。

選手全員に主体性が芽生えたことが、この春最大の収穫だ。昨秋の新チーム始動時から「1人1人がキャプテンであるという自覚を持ってやってきたが、この春はみんなが人任せにせず『自分たちが』という気持ちを持っていた」と胸を張った。指揮官も「『みんなが頑張る』。それが(うちの)強みです」と語るように、昨夏の甲子園に出場した先輩から受け継いだ“全員野球”が、新チームでも着々と醸成されつつある。

東北大会に向け、森神主将は「目の前の相手に集中して、1つのアウトを追求してやっていきたい」と1球1球に集中することを誓った。初心を忘れず、“全員野球”をさらに高めていく。【濱本神威】

 

○…日大山形は、この日は準決勝までに223球を投げているエース右腕・菅井颯(3年)を温存。佐藤大清-武田英大-佐藤巧望(いずれも2年)の継投で臨んだが被安打「15」、与四死球「12」と大荒れ。荒木準也監督は「菅井颯以外の投手がまだまだ力不足。投手がしっかりしないと野手も落ち着いて守れない」と、控え投手の奮起を促した。