第105回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の地方大会が17日、全国のトップを切って沖縄で開幕した。

開幕戦で宮古総合実・宮古工の連合チームが、沖縄工に8-3の快勝。新チーム初勝利で全国最速での夏1勝を手にした。宮古総合実のエース宮里大耶投手(2年)が9回5安打3失点で完投勝ち。自己最速を2キロ更新する144キロをマークするなど、132球の力投だった。順調に日程を消化すれば7月16日に全49地区で最も早く代表校が決まり、同30日に全代表校が出そろう。

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全国一番乗りで夏1勝を刻み、宮古総合実・宮古工のナインは笑顔で整列へと向かった。8-3の9回2死一塁。最後は一塁走者を挟殺プレーで、エース宮里が自らアウトにした。9回を5安打3失点、9奪三振の好投に「この1勝は大きい。エースとしての仕事ができた」と胸を張った。

初回に1点を先制されるも、2回から5回まで完全投球。2回には自己最速の144キロをマーク。力のある直球を軸に、要所では変化球で緩急もつけた。「真っすぐの感覚が良かった。かわせる投球ができた」。今春の県大会はコールド負け。悔しさも胸に刻み、132球の完投劇で雪辱を果たした。

連合結成5年目。13人の部員で臨む今大会は、宮古工に3年生はおらず、宮古総合実に3人の3年生がいる。大会前、チーム内で誓い合った。「1回勝って必ず(宮古総合)実業の校歌を歌う」。新チーム以降は初戦敗退が続き、勝利の歌を響かせられないでいた。新川将太監督(36)は「1、2年生に『3年生を絶対に勝たせよう』と話した。やっと、新チーム初勝利をあげられました」と喜びに浸った。

約3キロの距離に位置する両校。普段から一緒に練習を行うことで、固い絆で結ばれている。「お互いを思いやれる。連合だけどチームワークは単独チームにも負けてない」と指揮官。次も勝てば、今度は宮古工の校歌を歌うことが決まっている。宮里は「工業の校歌は歌えない。練習しておかないと」。シード校の日本ウェルネスにも勝つ気満々だった。【佐藤究】