南北海道の札幌地区が開幕し、2年ぶりの南大会出場を狙う札幌静修が大麻を7-1で下し、初戦を突破した。

4番水野楓海(ふうま)捕手(3年)が3安打2打点でチームの勝利に貢献した。1点リードの3回2死二、三塁で、真ん中付近の直球を「強く振り抜けた」と左中間に2点適時二塁打。5回1死には左前打、7回1死では二塁打で出塁し、後続打者の安打などでいずれもホームを踏んだ。「泥臭くいこうという思いで初戦に挑んだ」。高校通算13本塁打とチーム一の長打力の持ち主が役割をきっちりと果たした。

札幌篠路小1年の時に野球を始めて以来捕手を本職としてきたが、高校入学後に適性を買われ投手になった。1年春の地区予選からベンチ入りし、公式戦でも登板している。しかしその後、胸郭出口症候群と呼ばれる手のしびれや、力が入りにくくなる病気を患い、昨年11月に手術。リハビリを経て完治させた。「2年生の時は思うように野球ができなかった。今は野球が楽しい」と充実している。

山口凱監督(33)の「思い切ってやらないか」という言葉をきっかけに、今春から中学以来となる捕手に再挑戦。「やり慣れているというか、そこに関しては自信がある」と胸を張る。最速はチーム一の139キロ。捕手の練習をしながら今も投球練習を継続しており「登板したい」と機会をうかがっている。

00年創部のチームは17年と21年に2度、南大会出場の実績を持つ。次の相手は春全道王者の強豪北海。「強いのでそこに向けてしっかり。投手陣に寄り添うということを意識していきたい」。扇の要が仕事を全うする。【山崎純一】

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