東京学館新潟は“二刀流”須貝悠太右翼手(3年)がチームをけん引する。8強入りした今春は、先発で2試合に登板。打っても初戦2回戦・新潟西戦で高校初アーチを放つなど投打で存在感を示した。創部初の甲子園出場を目指し、10日に迎える連合チーム「柏崎常盤・柏崎総合・久比岐」との初戦2回戦からフルスロットルで挑む。

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“二刀流”で須貝が最後の夏に躍動する。投打にチャンスやピンチで見せる勝負強さと思い切りの良さが持ち味。投打どちらにおいてもバランスの取れたマルチな選手だ。「どっちも中途半端じゃ意味がない。やるからには両方本気でやるし、責任感もある」とやる気に満ちている。

投手として今春新潟県大会は3回戦・佐渡総合戦と、4回戦・新潟産大付戦に先発登板。最速135キロの直球とスライダーを軸に2試合計8回1/3を投げ、7奪三振3失点(自責1)で試合を作った。打っては初戦2回戦の新潟西戦で高校初の本塁打を放つなど14打数5安打1本塁打、打率3割5分7厘と投打で8強進出に貢献した。

冬は「野手練習の方がきつい」と投手ではなく野手練習へ自主的に参加。走り込みにウエートトレのこなし、「何本振ったか覚えていない」と言うティー打撃も含め、身体をいじめ抜いた。「食べられるだけ、ひたすら食べた」と体重は68キロから75キロまで増えた。

県内には最速151キロ右腕の日本文理・高橋史佳やエースで4番の中越・野本壮大(ともに3年)ら二刀流が注目されるが、「超さなきゃいけないし、絶対に負けられない」と闘志をむき出しにする。

同校が目指すのは創部初の甲子園出場。「優勝しかない。今年はチャンスだと思っている。やるしかない」。須貝が東京学館新潟の新たな歴史へ、チームをけん引する。【大島享也】

◆須貝悠太(すがい・ゆうた)2005年(平17)11月30日生まれ、新潟・新発田市出身。外々輪小2年からチョウナンファイターズで野球を始める。本丸中では軟式。東京学館新潟では2年春に県大会初優勝を経験。好きなプロ野球選手はオリックス山本由伸投手。179センチ、75キロ。右投げ右打ち。