大阪桐蔭の世代NO・1左腕、前田悠伍投手(3年)が1日、データ専門家をうならせた。大阪府大東市の同校グラウンドで、測定分析機器のラプソードを設置してブルペン投球。得意のチェンジアップが「プロの投手に交じっても武器になる球」と評された。

計測にあたったネクストベース社のアナリスト森本崚太氏が指摘したのは、前田が誇る伝家の宝刀だった。「(右打者の外角に)大きく逃げていく軌道などが特長的。直球に対しての変化もバランスがよく、投げる場所(制球)も含め、現時点では文句のつけようがない」と舌を巻いた。

上手よりやや腕を下げるフォームから直球、チェンジアップを組み合わせる投球スタイルは、メジャー通算75勝左腕の柳賢振やオリックス宮城に近いタイプだと分析された。

最速148キロの前田は、コンディション調整に専念したセンバツ後に体重を4キロ増やした。「力を入れなくても球速が出るようになった」と実感している。その直球も「シュートしながら伸びる感じで、非常にきれいな回転」と森本氏に太鼓判を押された。

この日は30球弱のブルペンだったが、大会前までには実戦で長いイニングを投げて仕上げる予定だ。

「いい状態の時もあれば、まだうまくいかないこともある。そこのずれをなくしていければ。不安はなくて、いい感じに合わせられているかな、と。7月の最後の方、大阪の一番しんどい時期に合わせてマックスをもっていきます」。ライバルの打者たちを、再びなで切りにする準備は進んでいる。【柏原誠】

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