2年生右腕が15Kの快投だ。背番号10を背負う神戸国際大付・津嘉山が星陵打線に8安打を許しながらも、15三振を奪い、完封勝利を挙げた。

「初回はボールが全体的に高くて、何本かヒットされたんですけど、ランナーが出てからはギアを上げて0点に抑えられた。立ち上がりのボールが高くなったのが課題」。冷静に投球を分析した。

1年前の悔しさが原動力だ。昨夏の兵庫大会は決勝で社に敗れた。1年生ながら6回からリリーフも、延長14回に突き放されて涙をのんだ。「昨日、社戦(の映像)を見て、こんな感じやったなというのを、また思い出して、悔しいこの気持ちを忘れず、この夏を頑張ろうと思っています。甲子園に行って先輩方に恩返ししたい」と決意を新たにした。

この1年間で大切にしてきた下半身の強化だ。「ボールが安定するようにしていこうと、課題にしてやってきた」。5メートルから200メートルの短距離の走り込みや、スクワット200キロを10回などのトレーニングを取り入れている。

21年夏の甲子園に出場した神戸国際大付の試合を見て、故郷沖縄から同校への進学を決めた。2年目となる寮生活は「寮のご飯で好きな料理は豚キムチ」と語り、「寮生活は楽しい。親に会えないことは寂しくない」。ひとまわり大きくなった2年生右腕が、チームを2年ぶりの夏の聖地に導く。【原田竣矢】

◆津嘉山憲志郎(つかやま・けんしろう)2006年(平18)7月24日生まれ、沖縄県沖縄市出身。5歳から野球を始め美東小6年まで美東ドラゴンズ、美東中では軟式野球部でプレー。神戸国際大付では1年夏からベンチ入り。178センチ、91キロ。右投げ右打ち。