星稜の「マグワイア」が驚弾をぶっ放した。石川大会連覇を狙う星稜の4番、近藤真亜久(まあく)捕手(3年)が3回、石川県立野球場のはるか場外に飛ばす3ラン。5回コールドでの8強入りを導いた。

金沢の青空に打ち上がった打球はメジャー級? だった。両翼91・5メートルと狭い石川県立野球場をあっという間に飛び出し、木々の間に消えていった。「調子はあまりよくなかったんですが、割り切っていけました。思ったより伸びましたね」。高校通算19号に4番打者は照れ笑いした。

名前の由来はメジャー通算583本塁打のマーク・マグワイア。野球好きの父から名付けられた。たくましい肉体で繰り出す豪快なフォロースルーは本家も顔負け。だが小学生の時に由来を聞いたものの、動画は見たことがないという。それより「きれい」というカブス鈴木誠也のフォームを熱心に研究してきた。

プロ注目のエース武内涼太(3年)とは福岡・久留米東ボーイズからの相棒。同じく中学からコンビを組み、19年夏に甲子園準優勝を果たした奥川(ヤクルト)&山瀬(巨人)の代を超え、北陸勢初の全国制覇が目標だ。

19年当時は中学2年生。奥川に魅了された武内に「2人で日本一のバッテリーになろう」と誘われ、石川行きを決めた。強肩強打で北陸の名門を引っ張る近藤は「日本一にならないと星稜に来た意味がない。絶対に成し遂げたいと、火がついています」と並々ならぬ覚悟を明かした。【柏原誠】

◆近藤真亜久(こんどう・まあく)2005年(平17)6月30日生まれ、福岡県広川町出身。小3から広川少年野球クラブで野球を始め、広川中では久留米東ボーイズでプレー。星稜では1年秋から背番号12。2年春夏の甲子園に控え捕手でメンバー入り。遠投110メートル。184センチ、83キロ。右投げ右打ち。