第27回全国高校女子硬式野球選手権大会が兵庫・西宮市の甲子園球場で行われ、神戸弘陵(兵庫)が2年ぶり3度目の優勝を飾った。14安打8得点と打線が活発。昨年のユース大会、今春の選抜大会と合わせて史上初の3冠を達成した。敗れた岐阜第一は創部8年目で初の準優勝となった。

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神戸弘陵が悲願の3冠を達成した。3-1の4回2死満塁の場面で打席に立ったのは、5番飯嶋弥沙音(みさと)外野手(2年)。「手応え、100点でした」と振り抜いた打球は、右越えの走者一掃の三塁打。初回にも中前に2点適時打を放っており、5打点の活躍だった。14安打8点の打力で岐阜第一を圧倒した。

昨年8月のユース大会、春の選抜大会に続く日本一で、女子高校野球の3大大会をすべて制した。史上初の偉業も、当初から力があったわけではなかった。主将の三村歩生(あい)内野手(3年)は、「最弱世代と言われてきました」。2年前に大会を制したチームや、1年上の先輩と比較され、石原康司監督(63)からも厳しい言葉を受けた。

そんな中でも、「3冠への挑戦」というスローガンを掲げ、「他喜(たき)力」というキーワードを胸に練習に励んだ。メンタルトレーニングの中で出てきた言葉で、「これを聞いて人のためにという思いが芽生えました」と三村は変化を振り返る。昨年の同大会では、コロナ感染の影響で、準々決勝を前に無念の辞退。「先輩たちの悔しい思いを背負って、甲子園で日本一を成し遂げたい」。人に喜んでもらいたいという思いが力となり、最弱世代は、女子高校野球史上最強世代にまで登り詰めた。【永田淳】

○…岐阜第一は創部初の準優勝となった。最速123キロ右腕の桑沢明里(めいり)投手(2年)が初回に3失点するなど5回8失点。3回に自らのバットで1点を返したが、押し切られた。「強みのストレートをはね返されて力不足。エースとしてこの場所に戻って借りを返したい」と聖地への帰還を誓った。バッテリーを組んだ主将の今井実捕手(3年)は4番として2安打。「31人全員で甲子園で野球ができて良かった。来年は絶対に日本一になってほしい」と夢を託した。