7点リードの9回2死二塁。八戸学院光星の2年生エース・洗平は、フルカウントから134キロの直球をど真ん中に投げ込み三振を奪うと、表情を変えずに勝利をかみしめた。135球で完封。「フォアボールもあって、悪い中で0点に抑えられたのが完封につながった」と振り返った。

昨夏の経験が自分を大きく成長させてくれた。1年生ながら、2回戦の愛工大名電戦で先発し5回4安打1失点(自責0)。だがチームはサヨナラ負けを喫した。グラウンドで泣き崩れる先輩の姿を見て「自分がチームを勝たせたい」と強く思った。暑い中で投げきるスタミナをつけるために、食事を1日6食に増やし、体重は7キロ増の76キロに。心身共に成長した姿で聖地に帰ってきた。

同校OBで、かつて中日でプレーした父竜也さん(44)はスタンドから試合を見守り「去年よりりりしくなった」と成長にうなずいた。

次戦は8強入りを懸けて文星芸大付との一戦。「先だけ見ていたら足をすくわれる。1戦1戦たたかって、自分の任されたところを全うしていく」と意気込みを語った。チームの勝利ためにエース左腕が全力で腕を振る。【星夏穂】

◆初戦11連勝 八戸学院光星は夏の大会で出場11大会連続初戦突破。夏の初戦連勝では(1)中京大中京17連勝(2)明徳義塾16連勝に次ぎ3位のPL学園(11連勝)に並んだ。

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