履正社が7回コールドで8強に進出した。同点に追い付いた4回に「1番・遊撃」の矢野塁内野手(1年)が決勝の2ラン本塁打を放った。矢野は初回の内野安打と6回の右二塁打を含む3安打の“サイクル未遂”の活躍で、チームの快勝に貢献した。

緊張感の中、1年生での1番の大抜てきに応えた。「初めて1番になって、素直にうれしい。笑顔、笑顔っていうのを意識した」。ベンチの仲間の明るい表情も、矢野を後押しした。

1点を追う4回1死では、新エースの9番高木大希投手(2年)が同点の右適時三塁打。続く矢野がインコースの直球を左翼へ運び、決勝の2ラン本塁打。6回にも、右適時二塁打を放った。「(多田)先生にもホームランを忘れてヒット狙っていけ」と助言を受け逆方向を意識。ここぞの対応力を発揮した。

チーム全体で長打7本という結果に、多田晃監督(45)は「基本的には『つなげつなげ』言うてますね」。昨年よりも攻撃では「つなぐ意識」を強化した。

身長167センチ、64キロの1年生は、昨年U15日本代表に選出。今夏はメンバー外だったものの、秋の初有観客の一戦で、切り込み隊長として強烈な印象を残した。【中島麗】