履正社(大阪)が花巻東(岩手)を7回コールドで下し、初戦突破を決めた。

「麟太郎封じ」に燃えていた。先発したプロ注目の快速球左腕、福田幸之介投手(3年)は「世代を代表している打者。真っ向勝負でいこうと」。高校通算140本塁打を誇る、花巻東・佐々木麟との真剣勝負を心待ちにしていた。

1回無死一塁から迎えた第1打席。公式戦では初の顔合わせ。初球、146キロ直球で詰まらせ、注文通りの遊ゴロ併殺に打ち取った。3回の第2打席は投じた6球すべて直球のみ。怪物スラッガーに真っ向勝負を挑み、フルカウントからの最後は渾身(こんしん)の自己最速タイ151キロ直球でバットの空を切らせた。「(佐々木麟は)体も大きくて、やっぱり他の打者とは違った」。3打席目では四球を与えたが、結果は2打数無安打に抑え「ボールは走っていた。夏よりも仕上がっている」と手応えを口にし、5回7安打1失点でマウンドを降りた。

多田晃監督(45)は「気持ちを入れて、福田らしい投球をしてくれたね。コントロールもようなってきて、安心して見てられた」と目を細めた。

バットでは、自身も驚く高校初アーチを描いた。2点リードの4回2死。真ん中低め140キロ直球を強振し、打球は右中間フェンスを越えた。「たまたまです。(打った瞬間は)打球がどこ行ったか分からんくて、球場の盛り上がりとかを聞いて、入ったんやと思いました」と振り返った。

プロ志望届は提出済み。ドラフト会議前に、今大会は最後のアピール場となる。この日はNPBスカウト9人以上が視線を送る中、投打にわたる活躍でアピールした。「ドラフトでは何があるか分からない。いい投球をしないと評価は上がらないと思う」と気持ちを引き締めた。

【国体】花巻東・佐々木麟太郎は3打数無安打終戦 土浦日大はおかやま山陽に快勝/詳細