高校通算140本塁打を誇る花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)が、道なき道を突き進む。履正社(大阪)に敗れた直後に取材対応。「いろいろな選択肢があったので、それを1個ずつ見させていただいて、アメリカの大学でやるという自分の意思として決めました」。ドラフト上位候補として前例のない米国の大学留学を決断。12日が提出期限のプロ志望届を出さない意向を示した。今後、名門バンダービルト大を含む複数の大学から進学先を決めていく方針だ。

ドラフト上位候補として複数の球団から熱い視線を送られ、国内の強豪大学に進学する選択肢もあった。「最後の最後まで決断するのはすごい悩んだのもあります」。そんな中で選んだのは米国行きだ。「野球だけじゃなくて人間としても、さらにいろんなところで、広い世界で学んでいきたいというふうにも思いますし、トータルに考えて、人生を考えて決断をしたので、現段階では、そういう動きです」。花巻東OBのブルージェイズ菊池雄星、エンゼルス大谷翔平からのアドバイスも決断する、1つの要素になったという。

米国留学に関して父である佐々木洋監督は「野球だけじゃなくて、多くのことを学んでもらいたいというふうなこともあり、いろんな知識をつけて、野球(人生)が終わった後にでも生きていけるような、そういう人生まで考えなければならないのではないかという判断でこのような選択をしました」と説明した。

◆米国の大学野球 全米大学体育協会(NCAA)のディビジョン1(1部)だけで約300チームが所属。うち8チームが6月にオマハで開かれる「カレッジワールドシリーズ」に出場する。米国では高校野球より人気があり、今年は過去最多の39万人(1試合平均2万4600人)の観客を集めた。MLBのドラフトには4年制大学では3年生を修了、または21歳になった時点で指名対象となり、4月生まれの佐々木麟は25年ドラフトで対象になる。

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