履正社(大阪2位)が投打に試合巧者ぶりを見せつけた。

5回にノーヒットで3点奪うなど小技を駆使して8得点。滋賀学園(滋賀2位)に快勝して8強入りした。京都外大西、京都国際の京都勢はともに左腕エースの粘り強い投球で、延長10回タイブレークの接戦をものにした。

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履正社が3季連続の甲子園出場へ“王手”をかけた。多田晃監督(45)が22年4月の監督就任以来掲げてきた「機動力野球」を体現した。9四死球で出塁し、6盗塁でかき回し、5つの犠打飛で小刻みに得点。「理想的な展開だった。得点を取るのはヒットやホームランだけじゃない。フォアボールや外野フライで点を取りたいと思っていた。走塁や盗塁も積極的にいって、いい感じに点が取れた」と指揮官も納得だ。

安打数は滋賀学園の10本を下回る9本だったが、スコアは8-1の快勝。象徴的だったのは5回だ。押し出しを含む3つの四球に1犠打、2犠飛。ノーヒットで3点を奪った。

例年以上に無死または1死三塁の状況での打撃練習を重視し、ヒットなしでも得点をつかむ姿勢は強い。5回1死二、三塁から犠飛を放った嶋田翔英捕手(2年)も「ヒットを打ちたかったが、練習通りに打てたので良かった」と最低限の役割を果たした。

6枠を争う近畿地区で2年連続の8強入り。3季連続の聖地へ“王手”をかけた。滋賀学園との2位対決は快勝。大阪では2位となったが、近畿での存在感は大きい。【林亮佑】