大阪桐蔭(大阪1位)が決勝に進出した。京都国際(京都2位)を2投手で無失点に封じた。

史上初の近畿3連覇へ、戦力も充実してきた。先発の南陽人投手(2年)が6回無失点。2番手で登板した1年生の中野大虎(だいと)投手が残りの3回を無失点に抑え、0封リレーを完成させた。近畿大会初登板の最速149キロ右腕は「大阪とは違う雰囲気でした。レベルが上がった投球を見せようと思いました」と振り返った。

名前の「虎」が示すように一家で大の虎党。母方の祖父は阪神の応援団をしていたという筋金入り。中野が生まれる前に亡くなったが、母に「子どもが生まれたら虎の字を入れてくれ」とお願いしたという。

中野は小さい頃から甲子園で阪神の試合を見て、プロになる夢を膨らませてきた。帽子には「猛虎魂」の文字を書き込み「猛虎魂を持って投げようと思っています。日本シリーズも見ています」と笑った。

好きな投手は元阪神の藤川球児。「直球で押すスタイルが自分と似ている。動画で、あの浮き上がる直球を見ています。自分はベース上の球の強さを意識している。今日は直球を決め球にしましたが、そこの強さが足りなかったです」。3安打を浴びた投球内容に不満げな表情も見せた。

西谷浩一監督(54)はこの試合での先発抜てきも考えていた。「気持ちで投げる子。球がバラつくけど、そこをうまく利用しながら投げてほしい。まだ1年生なので荒々しく投げてほしいですね」と高い期待を寄せている。同じ1年生の森陽樹投手は先に近畿大会デビューし、151キロも計測。同監督は「森が良かったので中野もメラメラしていたんじゃないですか」と2人の切磋琢磨(せっさたくま)を歓迎した。

エース平嶋桂知投手(2年)を温存しての決勝進出。優勝すれば明治神宮大会に出場する。昨年は同大会の高校の部で史上初の2連覇を達成。V3の金字塔へ着実に近づいている。