第96回選抜高校野球大会の選考委員会が大阪市内で行われ、出場32校が決定した。大会は3月8日に組み合わせ抽選が行われ、同18日、甲子園球場で開幕する。

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近畿王者の大阪桐蔭が、大阪では最長記録更新となる5年連続15度目のセンバツ切符をもぎ取った。大東市内の同校にナインが集結し、今田悟校長から出場決定の報告を受けた。西谷浩一監督(54)は引き締まった表情で「昨年のセンバツ(4強)で敗れた悔しさと、夏も大阪で敗れて甲子園に行けなかった。この2つの悔しさを持って新チームがスタートした。本気の本気で日本一に挑戦したい」と力強く抱負を語った。

大記録にも挑む。西谷監督は甲子園の通算勝利数が高嶋仁氏(智弁学園、智弁和歌山)の持つ歴代最多68勝まであと1勝に迫っている。長年名門校をけん引してきた指揮官は「私の勝利というよりも、大阪桐蔭の野球部が積み重ねてきた歴史だと思う。記録どうこうよりも、とにかくチームで勝ちたい」と力を込めた。

チームの4番にはスリランカ人の両親を持ち、日本で生まれ育ったラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(2年)がどっしりと座る。高校通算28発を誇る長距離砲は、今大会から導入される低反発の新基準バットについて「難しいところもあるんですけど、慣れて前のバットよりも打てるようになっているかな」と手応え十分。センバツに向けて「日本一になって、僕たちが主人公ぐらいの大会にしたいです」と堂々と宣言した。

投手陣でも平嶋桂知(かいち)投手(2年)、森陽樹投手(1年)と150キロ超えの右腕2人を擁するなど、スター選手不在ながら豊富なタレントがそろう。昨秋の近畿大会で史上初の3連覇を成し遂げたチーム力の高さで、2年ぶり5度目となる春の王座奪還に挑む。【古財稜明】

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