第96回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の出場校による甲子園練習2日目が14日、実施された。コロナ禍を経て5年ぶりの開催で、2日間で出場全32校が大会前に聖地の土を踏んだ。2年ぶりのセンバツ制覇を狙う大阪桐蔭の最速151キロ右腕、森陽樹投手(2年)は初の大舞台で「自己最速更新&2桁奪三振」を宣言した。能登半島地震で被災した日本航空石川、星稜の石川県勢も練習に参加し、初戦に備えた。

  ◇  ◇  ◇

大阪桐蔭・森の投じた剛球が捕手のミットに収まった音が、甲子園に響き渡った。身長190センチ、最速151キロ右腕の投球練習に、三塁側ベンチ前で甲子園練習の順番待ちをしていた豊川(愛知)ナインもくぎ付け。森は初の聖地に「地に足がついてないっていうか、ちょっと浮いてる感じ」と初々しさを見せつつ「なんか今まで以上に球が速く見えたっていうか、すごかったです」と目を輝かせた。

森は宮崎・延岡市出身で、聖心ウルスラ学園聡明中(宮崎)から鳴り物入りで入学した。昨秋の近畿大会で頭角を現し、決勝の京都外大西戦では先発で7回無失点と快投。新2年生ながら、最速154キロ右腕の平嶋桂知投手(3年)に引けを取らないエース格の1人。ロッテ佐々木朗を尊敬し、左足を胸付近まで高く上げるフォームをまねている。来秋ドラフト候補の1人だ。

甲子園では「見ているみんなを圧倒するっていうか、誰もが驚くようなピッチングがしたい」と気合十分。冬のトレーニング期間では走り込みを中心に行い「たぶんお尻が一回りくらいでかくなって、球の強さが出てきていると思います」と進化を確信。球速、奪三振にこだわりを持ち「(最速を)更新したい。(三振は)2桁以上は取りたい」と高々と宣言した。

西谷浩一監督(54)は甲子園の通算勝利数が高嶋仁氏(智弁学園、智弁和歌山)が持つ歴代最多68勝まであと1勝。森が大会第5日、22日の北海(北海道)との大事な初戦の先発を託される可能性もある。宣言通りの衝撃の聖地デビューを飾り、指揮官に記念星を届けてみせる。【古財稜明】

◆森陽樹(もり・はるき)2007年(平19)8月1日生まれ、宮崎県延岡市出身。川島小1年時に東海東(とうみひがし)クラブで野球を始め、聖心ウルスラ学園聡明中では全日本少年夏季軟式野球大会に出場。大阪桐蔭では1年秋から背番号15でベンチ入り。最速151キロ。変化球はカーブ、カットボール、スプリット。190センチ、86キロ。右投げ左打ち。目標とする選手はロッテ佐々木朗希。

【一覧】センバツ情報 日程・結果など