広陵(広島)のプロ注目右腕・高尾響投手(3年)が3季連続3度目の甲子園で1失点完投勝ち。高知打線を相手に5安打11奪三振でチームを3季連続初戦突破に導いた。

広陵のエースが甲子園に帰ってきた。昨春センバツでは準決勝では優勝した山梨学院を相手に先発し、9回に打ち込まれて4強止まり。昨夏は優勝した慶応に3回戦でタイブレークに持ち込みながら完投負け。今春、最上級生として再び聖地のマウンドに立った。

課題の立ち上がりから成長を見せた。1、2回と3者凡退。中盤も危なげない投球でロースコアのまま終盤へ。2-0の8回には1死二、三塁とされてギアを上げた。この日最速の145キロを計測。失策で1点を返されたが、1死三塁では昨年から一番良くなったというスライダーで空振り三振。さらに内角直球でつまらせて三邪飛で切り抜けた。「打たせないという気持ちで投げていました」と強気で押した。

中井哲之監督(61)もたたえた。「良く投げてくれましたね。責任感をもってよく投げてくれた。副キャプテンという立場でよく頑張ってくれました」とエースをねぎらった。

1年春から背番号1を背負う右腕は甲子園6度目の登板で9回5安打11奪三振1失点。「初回から良い流れで来ていたので、自分のピッチングができていた。真っすぐも走ってましたし、自分に不利なカウントが少なかったので、良い流れを作っていけた」と手応え十分だった。

2季連続で悔しさの残る甲子園での戦い。狙うは頂点のみだ。「1個上の代であと1歩というところで負けてしまって悔しい思いをした。自分たちが悔しさをぶつけて、成し遂げられなかった日本一を自分たちで取れるようにやっていきたい。自分が引っ張っていく意識です」とエースがチームを引っ張る。