静岡が日大三島を6-3の逆転で破り、2年ぶりの4強入り。加藤学園と浜松開誠館、東海大静岡翔洋も勝利し、ベスト4に駒を進めた。準決勝は来月3日に草薙球場で行われる。

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主将が道を切り開いた。2点を追う4回1死二、三塁。静岡の7番、松下球真外野手(3年)が同点の2点適時三塁打を放った。初球のスライダーを仕留め、強烈な打球を右翼線に運んだ。「これまで迷惑をかけてきた。結果が出て良かった」と豪快にガッツポーズ。続く高木優杜外野手(2年)のスクイズで、決勝のホームも踏んだ。

池田新之介監督(46)の采配が快音を呼んだ。過去43度の甲子園出場を誇る名門「シズコウ」で、不動のリードオフマン&主将という重責を担う松下球。今大会は準々決勝までの2試合で計1安打と苦しんだ。前日27日の3回戦では3三振。指揮官は「力み過ぎだった。もう少し気軽に打てるように」と定位置だった1番からの打順変更を決め、肩の荷を下ろした。

これが奏功した。この日は起死回生の一打にとどまらず、3安打の“猛打賞”。松下球は「1番に戻りたいという思いはある。自分はそんなに長打を打つような打者ではない。単打でも四球でも出塁して、勝利に貢献していきたい」と先を見据えて力を込めた。準決勝の相手は浜松開誠館。完全復調への1歩を、しっかりと踏み出した。【前田和哉】